カモ目カモ科ハクチョウ属

幼鳥
オオハクチョウは2から3年で成鳥になり野生では20年ほどの寿命と言われています。
幼鳥は薄い灰色ですが薄茶色の混じった個体もいました。




顔
ハクチョウたちはどうやってお互いを識別しているのだろうと疑問に思うことがあります。嘴の黒い部分と黄色い部分の境目の形がそれぞれ異なっており個体識別に役立つそうです。






顔をアップでみると、目の周りや嘴の黄色い部分の皺もそれぞれ違いがあることが分かります。
黄色い部分がつるつるなのは、まだ若い個体なのかと想像します。
嘴(くちばし)、舌
嘴の端がギザギザしています。水辺の草などを食べるとき水を濾したり、草をちぎり易くしたり、羽繕いに役立つのかもしれません。
舌の奥に突起が並んでいます。少し硬そうに見えます。虫歯のように見える部分もあります。突起の役割は、食べたものを戻り難くしているのかもしれません。


趾(あしゆび)
趾は親指に相当する方から第1趾(し)、第2趾・・と呼ばれ、第4趾まであります。小指に相当する趾はありません。水かきのある趾は蹼足(ぼくそく)と呼ばれます。


趾の先には鋭い爪が有ります。氷の上を走るのに役立っているようです。(氷の上で助走して飛び立っています。)
ちなみに氷の上で素足でも平気なのは、ワンダーネットという熱交換システムがあるからとのことです。足の先に向かう血液の熱で、足の先から戻ってきた血液を温めることによって、体温が外に逃げないようにしているためらしいです。(足の先は冷たいままの様ですが。)
肩羽(かたばね)
ハクチョウが寝ているとき、背中の小さな羽でよりかわいらしく見えるのですが、これは肩羽と言うそうです。人間に例えると肩甲骨のあたりある天使の羽のようなものです。肩羽は、飛ぶためには使用されていないようですが、飛ぶのに大切な風切り羽や体を保護するためにあるそうです。


尾脂腺(びしせん)
羽繕いのとき、尾脂腺から出る分泌物を頭や首の先でこすり取り、それを羽に塗る動作が見られます。尾脂腺から出る分泌物は羽の撥水効果を高める作用があるようですが、まだ全て解明されてはいないようです。尾脂腺は尾羽近くの上尾筒(じょうびとう)に覆われていであまり見る機会はないのですが、たまたま羽繕いに夢中になっている個体が上尾筒を上げた状態のままにしていて写真に撮ることができました。



首の骨
ハクチョウの首が自在に曲がるのは首の骨(頸椎)の数が25個もあるからです。ほとんどの哺乳類の頸椎(けいつい)の数は7つしかありません。首の長いキリンでも7つです。
飛行速度
オオハクチョウがどのくらいの速度で飛んでいるのか、ざっくり計算してみました。

上の写真は、オオハクチョウが飛び立ってから約150m過ぎて速度が一定になってきたたところで、0.1秒間隔で2枚撮影し上下に並べたものです。
このときの風速は、体感ではほぼ無風に近い状況でした。
0.1秒の間に、ほぼオオハクチョウの全長分だけ進んでいます。
オオハクチョウの全長は、約1.4mと言われていますので、
飛行速度(対地速度)は、(1.4[m] ÷ 0.1[秒])× 3600[秒] = 50400 [m/秒]
時速に換算すると、50.4 [km/h] となりました。
V字編隊飛行
ハクチョウやガン等の渡り鳥がV字型の編隊飛行をしているのをよく見かけます。これは、斜め後方の鳥が楽に飛行できるようにするためと言われています。
その仕組みは、前方の鳥の翼の打ち下ろしによって翼端渦が発生しますが、斜め後方では気流が上向きになるため、楽に羽ばたくことができるとのことです。モータースポーツでのスリップストリームとは違う仕組みのようです。

ちなみに、翼端渦は航空機でも発生し空気抵抗(誘導抗力)となります。翼端の折れ曲がった構造(ウイングレット)を持つ旅客機をみかけますが、翼端渦を低減するための構造です。
【参考文献】
カラー図解でわかる航空力学「超」入門 中村寛治著 SBクリエイティブ㈱ 2015年8月25日
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